2015年1月23日金曜日

がん哲学外来 ~医療の隙間を埋める~ 「がん哲学外来・カフェ」開設記念講演会(いわき市医師会 第44回市民公開講座)のお知らせ

いわき市医師会 44回市民公開講座
「がん哲学外来・カフェ」開設記念講演会

2015年1月24日(土)
午後2時開演
いわき芸術文化交流館「アリオス」音楽小ホール
入場無料


皆さんは「がん哲学外来」という言葉を耳にしたことはありますか?
多くの方は、自分自身又は家族など身近な人ががんにかかった時に初めて死というものを意識し、それと同時に、自分がこれまでいかに生きてきたか、これからどう生きるべきか、死ぬまでに何をなすべきかを真剣に考えるでしょう。
一方、多忙を極める医療現場では患者の病状や治療の説明をすることに手一杯で、がん患者さんやその家族の精神的苦痛までを軽減させることが充分にできていないのが現状です。
そういった医療現場と患者との間にある「隙間」を埋めるべく、「がん哲学外来」が生まれました。科学(疾患)としてのがん学を学びながら、がんに哲学的な考え方を取り入れていくという立場です。この考え方はとても新鮮なようにも感じつつも、実はごくあたりまえのことのようにも思えます。
「どうしてだろうか?」
よく考えると、ある一つの結論にたどり着きました。
がんという疾病の治療をしつつ、一人ひとり異なる患者さん固有の体験(喜びも悲しみも)にもフォーカスする…
「これって、私たちが日々トレーニングしている患者中心の医療の方法の実践例そのものではないか?」
このことに気づいてから、私は一気にがん哲学の考え方に親近感を覚えました。
がん哲学外来は、医療現場と患者との間にある「隙間」を埋めるために、病院や医療機関に限らず、集まりやすい場所で、立場を越えて集う交流の場を作ることから始まったようです。そしてこの活動を全国へ展開をしていくことを目指し、2009年に順天堂大学 医学部 病理・腫瘍講座 樋野興夫教授を理事長に、NPO法人「がん哲学外来」(2013年から一般社団法人)が設立されました。また、「隙間」を埋める活動を担う人材の育成と活動の推進をするために、2011年「がん哲学市民学会」が市民によって設立し、「がん哲学外来コーディネーター」養成講座が始まりました。
こうして「がん哲学外来」が、「対話の場」であるメディカルカフェという形で全国に広がり、現在ではメディアで取り上げられるほど注目されるようになっています。
この度、いわき市でもがん哲学外来が始動することになりました。明日、2015124日には、順天堂大学の樋野教授を招いて、いわき市医師会 44回市民公開講座「がん哲学外来・カフェ」開設記念講演会が開催されます。

いわきでも、「がんであっても尊厳を持って人生を生き切ることのできる社会」の実現を目指し、より多くのがん患者さんが、垣根を越えた様々な方との対話により、「病気であっても、病人ではない」安心した人生を送れるよう寄り添っていける社会をつくっていきましょう。

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