2014年8月31日日曜日

医商連携 ~いわき街なか健康フェスタ in かしま~


2014年8月31日、鹿島ショッピングセンター“エブリア”北側駐車場にて、いわき街なか健康フェスタがおこなわれました。
地域の医療・福祉と商業が協力し合い、高齢者が生涯 安心して過ごせる住みやすい街づくりをテーマに掲げる“ネーブルシティかしま(鹿島事業所会)”の主催で、子どもからお年寄りまで楽しめるステージでのライブ・コンサートや各種イベントが盛りだくさん。








共催する養生会も、介護・福祉・医療の立場で各種相談・体験ブースを開設し、かしま病院看護部が誇るY画伯特製ポスターが、お客様を集めていました。


健康食堂ではバランスのとれた食事が提供されました。


ゆる体操体験コーナーでは、お約束のゾーン体操も炸裂!



わたくしは医療相談のブースに詰めて、フリーな質問、相談などを承りました。
賑やかなステージ前とは違う雰囲気で、敢えて派手な呼び込みなどはせず、ひっそりと ゆったりと、、、
その効果はどうかは分かりませんが、結果、普段かかりつけ医の外来では多忙そうで ゆっくりじっくり聞けないような持病についての一般的な質問
リスクを伴う治療への不安
健診異常後のフォローについての相談
サプリメントの効果についての相談
種々の症状の原因や治療について などなど
小児からご高齢の方まで のべ20名程の健康相談に対応させていただきました。
中には、深〜い悩みを打ち明けてくださる方がおられたり、実際の受診行動に結びついたり、治療の参考にしていただけそうなケースもあり、それなりに1日詰めていた甲斐がありました。


医商連携!
来たる超高齢社会にむけて、とても重要かつ素晴らしい取り組みだと思います。

2014年8月24日日曜日

一堂に会するということ 〜第94回 FaMReF@福島県立医科大学〜

第94回 FaMReF@福島県立医科大学

家庭医療レジデントフォーラム Family Medicine Resident Forum : FaMReF
月齢の家庭医療後期研修医の振り返りと学びの機会
日々の診療の中で、自身に無力感や未熟感を覚えることも まだまだ多いレジデント
そういった不全感などを実際に言語として表出して初めて気付くことも多い

先ず、自身の診療体験を他者と共有するために言語化すること自体が自身を客観視することになる
そして、その客観化された情報を受け取った他者の、その事象の受け止め方や受ける印象は、個々により異なり まさに千差万別
9年目をむかえた当講座
指導医層もそれなりに厚くなり、豊富な経験や知識を動員した様々なアドバイスや斬新なアイディアが飛び出す
また、幸いなことに、最近では他職種や他分野からのフォーラム参加者も増え、私たちの医師として凝り固まった発想を、別角度から解きほぐしてくださる

他者から多くの意見やアドバイスをもらえると、案外出来ている自分や、改善できる要素に気付き、明日への自信や活力へとつながるようだ

こうして学習者本人だけでは気付き得なかった多くの視点をもたらし、より視野を広げた診療へと発展させることができるのが、普段県内各地に分散して活動している私たちが月に1度 遠方からわざわざ一堂に会して学ぶ狙いであり醍醐味でもある

2014年8月10日日曜日

記念すべき第20回FACE (Fukushima Advanced Course by Experts)

参加者のリクエストに応え、ご高名な先生方をお呼びして、合宿形式で夜を徹して学ぶということで全国的に有名となった勉強会FACEも、今回で20回を迎えました。

今回のメインゲストは、「やさしイイ呼吸器教室」でお馴染みの滋賀医大呼吸器内科の長尾大志先生

呼吸器疾患のメカニズムなどの基礎知識の解説に始まり、徐々に実践の参考になる豊富な画像をお示しいただきながら、大変に解りやすく、やさしイイく教えてくださいました。


対する常連講師による主なレクチャーは、会津医療センターの宗像源之先生による「キビシー高血圧教室」と、鎌ケ谷総合病院・新松戸中央総合病院の宇藤薫先生による「キツーイ夜の救急教室」
お2人とも大変ご多忙の中での準備はキビシーくてキツーイものであったことと思いますが、愛と情熱と心のこもった丁寧にまとめられた内容に毎度ながら感銘を受けました。



しかし何といってもFACEの魅力は夜の勉強会の自由度の高さ!
結果として、熱弁と爆睡が隣接して競演される様子を観ることができます。

で、前回同様に今回も呑みながらエピペンの打ち方が話題になったのでおさらいしておきます。







2014年8月9日土曜日

いわきの祭りシリーズ

今年も いわきの夏祭りシリーズは盛り上がっているようです。
仕事の合間に 平の七夕飾りをチラ見しに行ったり、
なによりも、今年も いわきおどり に参加することができたのが嬉しかった。
今年は理事長夫妻やクリニック院長、呼吸器科部長、外科部長などの重鎮にも参入していただけて、更に若いレジデントらとのコラボで狂喜乱舞。
浴衣姿の森まさこ大臣によるサプライス声援までも・・・
いずれにせよ、まつりは観るより参加するに限る!
ビールの美味い宵でした。








2014年8月8日金曜日

柏プロジェクトに学ぶ いわきの地域医療

2014年8月7日 職場の協力を得て業務調整の上、柏プロジェクト見学ツアーに参加させていただきました。

今回の説明会場となった柏地域医療連携センターは、いつまでも住み慣れた地域で安心して暮らせるまちを目指して、地域医療•介護の連携を強化し、広めるための取り組みをしてきた柏市の庁舎の一つという扱いでありながら、地域医師会•歯科医師会•薬剤師会等の関係団体の事務局も入り、地域医療•介護の発展と、市民の療養生活を支援するための中核拠点として整備された施設で、医療や介護に関する相談•啓発、在宅医療が必要な方への調整支援、医療•福祉の連携強化といった機能を担っています。
これまでの市の取り組みが実ってか?毎月50件程度の相談があり、日々地域医療の充実のために貢献しているようです。
とはいえ、今年度オープンしたばかりの新しい施設でまだ存在が市民に周知されていないのか、柏駅で拾ったタクシーのおんちゃんが「地域医療連携センター???」状態になってしまったので、説明会開始時刻ギリギリの到着となってしまいました。(笑)







午前中は、柏市の保険福祉部 福祉政策課の方から参加者全体(計4自治体や医師会等から約45名の参加者)に向けて下記の解説をしていただきました。

①UR都市機構による豊四季台団地の建替え事業について
②柏市福祉政策課による柏市における長寿社会のまちづくり
 ~豊四季台プロジェクト~

昭和39年から一気に分譲され、入居者が一気に高齢化し、局地的に超高齢社会が出現したこと。
バリアフリー仕様でない古い団地の建物で、生活困難となった要介護者が、住み慣れた団地を後にしなければならない状況になっていたことなどがきっかけに生まれたこのプロジェクトについて紹介していただきました。

豊四季台団地の中心エリアを案内していただきましたが、街には古い建物と、機能的な真新しい建物が混在し、今まさに生まれ変わろうとしている姿を感じることができました。
特に、地域包括ケアシステムの先駆的なモデルとして誕生した「ココファン柏豊四季台」は、住まい•介護•医療•生活支援•地域サービスがすべて一体化した複合拠点となっていて、居ながらにして包括的サービスが受けられるように、
1階部分には、診療所や訪問看護ステーション、居宅介護ステーション、ケアプランセンター、地域包括支援センターがズラッと軒を連ねている理想的な構造でした。




午後には、この日 福島県から参加した喜多方市の方々と、このプロジェクトのアドバイザーとなっている 吉江悟先生(東京大学 高齢社会総合研究機構・医学部 在宅医療学拠点 助教)と、柏市で在宅医療を実践されている家庭医療専門医の織田暁寿先生(ホームクリニック柏 院長)を囲んでの、ディスカッションの時間を設けていただきました。プロジェクトに関する詳細や実際のご苦労が見えてきて、とても参考になりました。

今回の視察を通して、多職種連携の在宅医療研修プログラムの実施や、主治医ー副主治医体制(グループプラクティス)の整備などによる、24時間365日在宅療養支援体制の確立への柏のみなさんの熱心かつ地道な努力の足跡を感じ取ることができました。
そして、柏市のように在宅医療推進の取り組みにおいて有名かつ様々な条件に恵まれた地域であっても、在宅医療への参加•協力が得られていない先生方がまだまだ多く、実際のところ派手で劇的な特効薬も魔法のような変身もなくて、むしろ変化に対応するために現在進行形の課題をたくさん抱えていることも知ることができました。
それでも、多職種が全体を見渡す視野を獲得しつつ、その中における自分の立場での役割を理解し行動することの積み重ねが、地域全体を動かし、変えていく原動力になっていくことを証明しつつあります。

もはや私たちいわき市民も、四の五の言ってないで、行政と医師会•地域住民らがガッチリと力を合わせ、今目の前に与えられた環境の中で考えうるベストを目指して、地道かつ根気強くひたすら前に進むしかありません。
そういう意味では、今の現状はともかくとして、いわき市や市議会•いわき市医師会が目指している方向性は間違っていないと思います。大事なのは歩みを止めないこと、そして諦めないことだと確信しました。

2014年8月6日水曜日

まさに災害医療! ~第26回 学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナー~

26 学生・研修医のための家庭医療学夏期セミナーに行ってまいりました。
参加者が多すぎる熱い企画のためか?会場とは全然ちがうトトロが出そうな宿を確保し、まずは温泉でくつろいでからの出陣!



夜の懇親会熱い!勿論気温も暑い!そして、将来の家庭医層が厚くなることを確信できる素晴らしい盛り上がりでした。

さて、今回は、災害医療と家庭医療を絡めたセッションを1席設けて欲しいという、とてもありがたいご依頼をいただきました。
どんな内容がふさわしいか?
無い知恵絞って考える過程で、きっとこのテーマのセッションへの参加を希望してくれる若者は、災害時のトリアージを含む初期対応のシュミレーションとか、すぐに役立つスキルの伝授とか、そういう感じのものを期待するんだろうな~ ということは、早々に感づいていました。インタラクティブなやりとりを通して頭と体を動かし、既存の災害時マニュアル的なことを演習してみるのも悪くないし、そんな風に参加者のニーズを予測してセッションを組み立ていくのが王道! それが無難と考える自分がいる一方で、どうしてもその内容に最後までゴーサインを出さない本音の自分がいました。
それはなぜか?
地震・津波・原子力災害・風評被害・被災者同士の軋轢などなど、今まで経験のなかったような現在進行形の複合災害の中、僕らが直面している現実は、そんなに甘いもんじゃなくて、既存のマニュアルやシュミレーションがほとんど役に立たなくて、既存の災害医療支援体制も現状にうまくマッチせず、残酷なほどに思い通りにさせてもらえないことばかり、格好よく活躍できる状況もなく、むしろ無力感に苛まれ、そんなもどかしさの中、悩み苦しんでいる人たちがいること、それでも未来を見据えて地道に歩み続けている人たちがいること、しかし、それは家庭医療の発展と日本の未来を切り拓く「FRONTIER」そのものであること… このことを強く熱く伝えなければ、自分がこのセッションを任された意味が薄れてしまうと思っていました。

こうして実際にできあがったセッションは

大好きなアイスブレイク… させない どころかアイスメイク
災害医療のセッションなのに災害医療の知識やスキルを… 教えない
大好きな模造紙… 使わない
大好きなディスカッション… させない
演者は… 永遠にしゃべり続ける
参加者には… しゃべらせない
予定された内容を… 途中までしかやらない
質問は… 受け付けない

要約すると、演者が時間いっぱい言いたいことを言いまくって終了!!!といった感じ。

斬新すぎて はからずも
参加者の皆さんに「どうだ、世の中は自分の思い通りにならんだろ!」と言わんばかりに、いきなり冒頭のアイスブレイク(メイク?)から最後の瞬間まで一貫して良い意味でも悪い意味でも参加者の期待を裏切り続け、セッション全体を通して複合災害の恐ろしさを体験してもらうような内容となっていたのです。(これはやった本人も、やった後に気づいたことです)

ちなみに最近の学生さんは幸せ者だと思います。
とっつきにくい学問も、分かりやすく教えてくれて、楽しく学べるようなセッションを提供してくれるような指導者に恵まれている。
今回の夏期セミナーも、そんな親切なセッションばかり…
そういう意味では、今回の僕のセッションは異彩を放っていたかもしれません。
でも、もう一度ふりかえって欲しいのです。
そうやって楽して得られた知識やスキルが、本当に実際に役に立ったのか?いま役に立っているのか?これから役に立っていくのか?

斯く言うわたくしも、いつも「学習者中心の教育」とか言って、学習者のニーズを意識しようなんて心がけているので、今回のように、指導者主導で、ほぼ一方的な情報発信。つまり、言いたいことを力説する青年の主張的なセッションになったことには、とても違和感も感じていました。

参加者の皆さんへのアンケートを見ると、確かにその辺のところをちゃ~んと(ある意味あたり前に)指摘してくれていました。少数ではありましたが、最低ランクのキビシーご評価も頂戴し、しかしそれはまさに想定内でした。一方で、参加者のニーズとマッチしないセッションでありながらも、多くの皆さんがソコソコの評価をしてくれたことは意外でした。コメントを見ても、やはり報道や書籍などだけでは伝えきれない微妙なニュアンスが伝わった様子もあり嬉しかったです。
設計ミスが生んだ新しい建築様式?
こういった破壊的な挑戦を繰り返しながら、これからの新しい教育の形を模索していきたいと思います。

私のような変人の企画に付き合ってプレゼンしてくれた看護師の岡田聡子さんと家庭医療後期研修医の豊田喜弘君、そして参加者(被害者?被災者?)の皆さん、本当にありがとうございました。そして扱いにくい人間でどうもすいません。






あ、それと、セミナー期間中に、宿舎で捕えたカブトムシの入った虫かごと虫取り網と拳銃を所持したBOYに襲撃された被害者(被災者?)の皆様。
あれは私のヤンチャな末っ子でございます。
やんごとなき事情で、同伴しておりましたが、逃げ足が速く容易に目の届く逸材ではないので、多くの方々にご迷惑をおかけしたと思います。
申し訳ございませんでした。
そして、これぞまさに災害と捉え、ご容赦くださいませ。




参加者のディスカッションや質問の時間を奪ってでも伝えたかった内容のキースライドを共有します。