2017年11月3日金曜日

未来のリーダー達の光 ~2017年度第6回 いわき志塾~

お邪魔するのも もう4年目となり、11月初旬の恒例行事になりつつある「いわき志塾」医療系スタッフの講師確保協力
昨年は「代打オレ!」事件が起こり、急遽 自分が講師役を務めましたが、今年は予定通り高見の見物をさせてもらいました。
志塾講師の初陣となる家庭医療専攻医ら2人も それぞれの渾身の物語を中学生相手に楽しく伝えてくれている様子を見届けることができました。
中学生たちの発表を聴いて、夢に向かってポジティブな気持ちで楽しく生きていくことと、感謝の気持ちを忘れずに、独りよがりにならず相手のことを考えながら、一人ひとりと向き合っていくことの大切さを再認識しました。






2017年10月22日日曜日

雲海の会津 ~第126回 家庭医療レジデント・フォーラム@只見~


台風接近前の雨天の中、家庭医医療レジデント・フォーラムの会場の只見に移動。
道すがら、色付き始めた山々と秋空とのコントラストが楽しめなかったのは残念であったけれど、代わりに見事な雲海を臨むことができた。

さて、秋雨の風情の中、フォーラム開始!
繰り広げられる専攻医の振り返り、ポートフォリオ発表とそれぞれに対するディスカッションを通して、各領域で何を学ぶべきかが確認され、それは研修の改善の過程そのものであると同時に、指導医の役割を再認識する場面でもある。
日頃 直接 絡めない別サイトの指導医からアドバイスを直に受けることが出来るもの重要なポイントである。

恒例の締めのプログラム「Cinemeducation」の前に「ゆる体操」が入るのが、最近のトレンドのようで、事情を知らない方が、もしも会場に迷い込んだら、おったまげてしまいそうな光景が展開されている。

2017年10月16日月曜日

三位一体の地域医療創生

 


20171014日、いわき市医師会 第52回 市民公開講座「いわき市の地域医療を守り育てるために」が開催されました。制定・施行されて間もない「いわき市の地域医療を守り育てる基本条例」に市・医療機関・市民の三者それぞれの役割が明記されていることを受け、市を代表して地域医療課 藁谷孝夫 課長から「いわき市の医療の現状と今後の取り組み」について、医療機関を代表して私から「急病や怪我で困らないための上手な医療の利用方法」について、市民を代表して磐城実業株式会社代表取締役の宮野由美子さんから「いわきの医師を応援するお姉さんの会」について、それぞれの立場からプレゼンテーションする三部構成の講演会となりました。
 藁谷課長からは、多主体連携による「防ぎ・治し・支える医療」の実現を目指し、医療機関ハード面と連携基盤の充実、人材育成・招聘の強化、医療に関する意識の共有化などの市の取り組みが紹介されました。
 私からは、急病や怪我で困らないための極意をお伝えしました。困らないための最強の対策は「予防」つまり急病や怪我を起こさないことです。そして実は、急病を防ぐために最も効果的で誰もが今日から取り組むことができることに「禁煙」「受動喫煙対策」があります。極端な話、いわき市内全域禁煙が実現すれば、いわきの医師不足問題は一気に解決するかもしれません。さらに、超高齢・多死社会においては、寿命が近づいたら慌てず騒がず安らかに逝くための事前準備「終活」が重要です。責任を持って看取ってくれるお医者さんを早めに確保されることをお勧めします。寿命が近づいて徐々に衰弱し、結果的に心肺停止に至る過程は急病ではありませんし、高次医療機関に搬送する適応ではないので、救急車を呼んでもなかなか受け入れ先が見つかりません。いざ、急病や怪我が発生してしまったら、救急医療を利用するべきか否かを「考慮」して、不要不急の救急要請、休日・夜間の時間外受診を減らすことが肝要です。
 「いわきの医師を応援するお姉さんの会」の会長を務める宮野さんからは「いわきの若い医師の胃袋をお姉さんの手料理でガッチリつかもう!」というコンセプトで発足した会の誕生から現在までの活動報告がなされました。医師を応援するための会の運営を通して、互いの立場を理解・尊重し、深い学びと明日への原動力になる集いへと醸成されている過程がよく理解できました。市民から発生した活動は、今や大きなムーブメントに発展しています。「お医者さんのために始めた会は、実は自分たちのためのものだったことに気づきました」宮野さんの言葉はとても感動的で印象に残りました。
「いわき市の地域医療を守り育てる基本条例」を単なる理念に終わらせることなく、いわきが誇る実効性のある条例として成熟させていくために、市民一人ひとりが自身の健康について主体的に考え行動し、私たち医療・介護関係者、行政らも一体となって、この市民中心の地域医療創生の動きを全力で盛り上げていきましょう。

2017年9月28日木曜日

福島県いわき市×山本雄士ゼミ

 2017923日~24日、医師不足をはじめとする諸問題に真っ向から取り組んでいるいわき市の熱意が結集し、ついに山本雄士ゼミのいわき開催が実現しました。
ゼミを主催する山本氏は、1999年東京大学医学部を卒業後、循環器内科、救急医療などに従事されたのち、2007年ハーバードビジネススクールを修了。現在、株式会社ミナケア代表取締役。厚生労働省保健医療2035推進参与に就任。過去には、内閣官房医療イノベーション推進室 企画調査官などを歴任。ヘルスケア全体のシステムマネジメントを中心に、国内外での政策提言や数多の講演活動で大変ご高名な方です。「医療からヘルスケアへ」をご自身のミッションに掲げ、「医療は病気になってはじめて関わるもの」という考え方を転換し、人々がより長く健やかでいられるケアを、社会全体にシステムとして浸透させるために日々精力的に活動されています。
医療の質と量とのバランスの取り方、制度の持続性、医療機関の経営や労働環境の改善等、複雑かつ多くの課題を解決していくためには、医学にとどまらない知識とスキルを持った人材が、これからのヘルスケア業界をリードする必要があると山本氏は考えています。山本雄士ゼミは、こうした人材を育成すべく20115月にスタートしました。以来、月1回のペースで、ハーバードビジネススクールで実際に使われているケースを用いたケーススタディーを行っています。参加者は、山本氏のファシリテーションと参加者同士のディスカッションとを通じて、ケースに対する理解を深め、自らが見出した問題点と解決策を具体性をもった戦略へと昇華させていきます。また、ケースを通じて医療業界の基本構造や経済の原理原則等を学ぶほか、マネジメント手法や医療における自身のキャリア設計にも役立つ知見を得ることができます。医療に限らず幅広い分野や多様な世代からの参加も当ゼミの特徴で、業界・世代を問わず多くの方々が学び、仲間と出会い、刺激しあう場として毎回エネルギッシュな議論が繰り広げられているようです。

さて、前置きが長くなりましたが、ゼミ当日は医学生を中心とした20名の精鋭たちが全国からいわき市に集結し、これまでいわき市を知らなかった“よそ者”目線かつ若者目線で、いわき市の現状を全力で体感し、本気で考えてくれている情熱がビシバシ伝わってきて、とても嬉しくなりました。特に感銘を受けたのは、山本氏がゼミ生たちに「いわき市の人たちの生の声から何かを感じ取って欲しい」というメッセージを繰り返し送っていたことです。現場から施策を創出しようという姿勢に心を打たれました。そして、山本氏による講義やケーススタディー、グループワークは、一貫して、理念やお題目にとどまることなく、目的を達成するために誰が、いつまでに、何を、どのように、という具合に、具体性を持った行動目標へ落とし込んでいくものでした。今回のゼミから飛び出したアイディアは、即座に市医師会長や地域医療課の担当者らへの具体的かつ実現可能な指示へと変換されていきました。日頃よく経験する○○を語る会とか、△△連携会議とか、顔の見える☆☆とか、有能な人財が雁首揃えて時間と労力を費やして一堂に会し「これからみんなで頑張っていきましょう!」ということで、その都度和気あいあいとした雰囲気で終了するけれど結局何も進まない種々の会議体にウンザリしていた私としては、当ゼミは激しく共感できる心地よい空間であり、医学教育や地域包括ケア、都市計画に携わる身としてお手本とすべきものでした。


2017年9月24日日曜日

自由な語りに極意あり ~第125回 FaMReF@保原~

今月の家庭医療レジデント・フォーラムは保原中央クリニック家庭医療科での開催
レジテントの日々の経験からもたらされる学びの機会
診療、教育、研究それぞれについてバランスよく問題点があぶり出されるが、はからずもキャラがあまり被らない感じにバラついた個性豊かな指導医陣らが、それぞれの立場でコメントを挟んでくる
メンバーが入れ替わりながら、発想の坩堝へと成長してきた当講座の歴史を感じる
日頃直接ディスカッションできないメンバーと月1回直接会える機会は大事にしたい

2017年8月27日日曜日

ほんとの空に下で学ぶ“家族” ~家庭医療 サマー・フォーラム in ふくしま~


天気に恵まれて、安達太良山の山頂の乳首まできれいに望める爽快な週末
二本松の岳温泉を会場に、泊りがけで家庭医療のディープな世界を学ぶ 家庭医療サマー・フォーラム in ふくしま が開催されました。
今年のテーマは“家族”


初日は、ライフワークバランスを考えることを通して、医師自身の家族について深く学びました。


家庭医は夜つくられる…
大量の酒が見る見る消えていきました。


安達太良高原の朝ランは気分爽快でした。


2日目は、患者の家族にフォーカスした家族志向ケア!
カオスな家族カンファレンスのロールプレイの経験は生涯忘れることが出来ないでしょう。

2017年7月29日土曜日

医学生を対象とした「いわき地域医療セミナー」

福島県内では、福島県の地域医療に興味のある全国の医学生を対象に、地域医療体験研修を開催しています。地域医療への理解をより深めてもらえるように、県内各自治体や各地域の医療機関が主体となって、地域医療の現場を実際に「見て」「聴いて」「感じる」ことができる企画です。県内の病院・診療所の見学、医療従事者との意見交換、地域住民との交流など、各地域の特色を活かした、他では体験することができない研修を目指しています。
いわき市でも2015年度から「いわき地域医療セミナー」と称し、地域医療体験研修を開催していますが、実は、いわき地域における昨年度までの研修内容は、いわき市立総合磐城共立病院を中心に展開されている急性期の高度先進医療の見学を中心としたものでした。でも「それって大学病院で学んでいる医学生にとって、きっと日常と大して変わり映えのない世界だよね~」と個人的に思っていました。
しかし、今年度からは参加者のみなさんに、より広く包括的にいわきの医療の全貌を理解してもらえるよう内容が一新され、訪問診療や地域包括ケアに積極的に取り組んでいる当法人も当研修プログラムに組み込んでいただけることになりました。しかも、地域医療の充実にテコ入れをしている福島県立医科大学では、この地域医療研修を今年度から3年生の必須プログラムとして位置付け、医学生たちが地域医療の実情を深く学べるように配慮しています。その結果、7月から9月にかけて計4回、23日のプログラムに延べ47名の医学生たちがエントリーしてくれました。
「いわきの地域医療を学ぶために当院での研修で提供出来ること…。それは、良い意味で若者の夢を打ち砕くこと!」研修の受け入れに際し、そんな悪巧みを思いついた変人(わたくし)のいたずら心に火がついたことは言うまでもありません。日進月歩、華々しい進歩をとげている医療技術。しかしながら、超高齢社会の波の中、現代の高度先進医療を駆使しても解決し得ない、老衰や認知症などの終末期の患者さんは急増しています。看取りを前提とした超高齢者のケアこそ、この機会に若き医学生に敢えて考えて欲しいテーマである。という結論に達しました。
さて、実際の研修では、参加者の学年が若いこともあり、なるべく患者さん目線から訪問診療を見て欲しいと考え、各参加者にマンツーマンで担当患者さんを割り振らせていただきました。ほとんどの方が85歳以上の超高齢者です。診察を待つ間に「医師に何を期待するか?」などの“患者さんの想い”を聴き出すという無理難題的な課題を与えました。ところが、驚いたことに、多くの医学生たちは私たちの日常診療では語られていなかった患者さんたちの物語を見事に聴き出してくれました。常日頃から患者さんの背景を深く理解しようと努めていても、まだまだ不十分であることを再認識することが出来ました。学生さんたちには「学年が上がり卒業して医師になっても、患者さん側から見える風景と医師側から見える風景は違うということを認識して行動して欲しい」というメッセージを贈りました。診察の後、一通りの振り返りを終えたところで学生さんたちに「今日出会った患者さんたちの10年後は?」と、敢えて意地悪な質問をぶつけました。その時の皆さんの表情は忘れられません。まさに一同「そんなこと(患者さんの死について)考えていなかった」という感じでした。私は「患者さんを看取る覚悟と責任のある医師になって欲しい」と続けました。

「患者さんを看取る覚悟と責任のある医師が絶対的に足りない」というのが私の持論です。逆に、そのような医師が充足すれば、2030年の超高齢多死社会問題は一気に解決します。その実現ために日々活動している私たちの姿を、見て、聴いて、感じてくれたなら、このセミナーは大成功です。学生さんたちが何を想い、いわきを後にしたのか?気になるところです。